今さら誰にも聞けない!マイナンバー制度ってなによ?!って方向けのまとめ
安全保障関連法案の審議に沸いた今夏、その裏側で進められていたのが「マイナンバー制度」です。
安保法制が100時間以上もの審議時間をかけ、国民的議論を巻き起こしながら進められたのに対し、マイナンバー関連法案の審議はたったの35時間程度。
しかも、安保法制が私たちの国民生活に直接の影響がないのに対し、マイナンバー制度は、まさに一人ひとりに直結するテーマです。
かつては「国民背番号制」と呼ばれ、提唱されるたびに廃案になってきたこの制度が、あまりにもあっさりと審議を通過し可決されてしまったことに、個人的には大きな違和感を感じていますが…。
ともあれ、まずはマイナンバー制度のカンタンな流れをおさらいしてみましょう。
マイナンバー制度って?
- 国民全員に、マイナンバーが発行、郵送で通知される(2015年10月から)
- 税や社会保障の手続きをするとき、マイナンバーを記入するようになる
- 行政機関は、マイナンバーを使って、その人の納税や社会保障の状況をスムーズに確認できるようになる
かんたんに説明すれば、「マイナンバー制度」は、たったのこれだけです。メリットとしては、「行政手続きがスムーズになる」のが一番のポイント。
私たちの生活には、そんなに大きな影響は無さそうです。
マイナンバー制度にありがちな勘違い
国民的議論も報道もなく、気がついたらスタートしてしまっていたマイナンバー制度。
それだけに、いろいろと不正確な情報も広まってしまっています。いくつかご紹介しましょう。
マイナンバー通知の郵便を受け取り拒否すれば、マイナンバー制度は機能しなくなる→×
これは、まったくの間違いです。
通知を受け取る・受け取らないにかかわらず、マイナンバーは自動的に発行されています。
通知を受け取らなかった場合、「すでに発行されている自分のマイナンバーが、わからない状態」になるだけ。
デメリットしかありません。
マイナンバーが他人に知られると、自分になりすまされてしまう→×
マイナンバーは重要な個人情報を含みます。もちろん、漏洩は絶対にあってはいけません。
ですが、仮に他人に知られてしまっても、なりすまし犯罪などに悪用することは、ほとんど不可能です。
マイナンバーを使って手続きをする場合、必ず身分証明書の提出が必要になります。
そのため、マイナンバーだけで他人になりすますことは不可能です。
買い物をするたびに、マイナンバーを提示しないといけなくなる→?
これに関しては、まだYESともNOとも言えません。
現状では、マイナンバーを買い物のたびに提示する必要はありません。
ですが、仮に消費税が10%になり、かつ「マイナンバー提示で食品などの消費税を還付」とする財務省案が可決されれば、お買い物のたびにマイナンバーを示す必要がでてきます。
会社にマイナンバーの提出を拒否すると、お給料がもらえなくなる→×
マイナンバーは源泉徴収の手続きにも利用されます。そのため、勤め先へも自分のマイナンバーを提示する必要があります。
では、ここでマイナンバーの提示を拒否した場合、どうなるのか…といえば、特に法的な罰則はありません。
もちろん、マイナンバー提出を拒否したからといって、お給料を渡さないことも、認められていません。
仮に従業員がマイナンバーの提出を拒否した場合、企業の担当者は、「しっかり説明して説得すること」「その経緯を記録すること」が求められます。
それでもマイナンバーを提出されなかった場合、未記入のまま手続きすることも認められています。
その際、マイナンバー未記入の手続きが単なる記入漏れでないことを示すため、「経緯を記録すること」が求められているんですね。
マイナンバーで、銀行の預貯金もすべて国に知られてしまう→×
これは、今の時点ではNOです。マイナンバーを金融機関の口座に登録することは”推奨″されていますが、”義務”ではありません。
ですから、この手続きを銀行で行わなければ、マイナンバー=口座情報にはならず、国に知られてしまうこともありません。
ただし、将来的にはこれを義務化する方針もあります。
そうなった場合、マイナンバーを照合すればその人の口座情報がわかり、いくらの預貯金を持っているかも、国がわかるようになりそうですね。